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Re:ステージ!、アニメ化するってよ

Insania

「リステ、アニメ化するんだよ」

作詞を担当させて頂いているRe:ステージ!の KiRaRe 5thシングル「367Days」が今日発売された。本当に色んな人達の思いを背負って書かせて頂いた作品で、自分の中でもとても思い入れのある一曲である。

実は、僕は普段自分の書いた作品をあまり聴かない。それは、「世に出た作品はもう歌い手さんとファンの人達のものであって、決して自分のものではないと思っているから」

なんてクールに言い放ってみたいものだが、本当はただ単に何だかムズムズするからだと思う。笑

しかし、今日はちょうど発売日ということもあり、ふと「367Days」を聴こうと思った。

ぼんやり聴いていると、制作過程での色んなことがよみがえってきたので、それを書こうかなと。

始まりは、今年の1月

「リステ、アニメ化するんだよ」

都内某所の居酒屋で、プロデューサーの椿本さんが言った。

そして、隣にいた作曲の伊藤翼氏が続ける。

「7月のライブでそれを発表する予定なんだけど、その発表の時にKiRaReが歌う曲を作ろうと思ってて、その歌詞をソフランにお願いしようと思ってる」

正直、嬉しさ半分、不安半分だった。特別な作品に参加出来る喜びとその責任の重さが、一瞬で脳内を駆け巡った。

 

「どうすっかな。笑」

一人苦笑いした。

その日からというもの、僕の脳内ではずっと、KiRaReの6人がぴょんぴょん飛び跳ねていた。

KiRaReの6人にしか歌えない歌って何だろう?

他の詞を書いている時も、「次のKiRaReの曲...」という考えはずっと頭の隅に住み着いていた。

ただ、色々な考えが浮かんだり消えたりする中でも、一つだけ、最初から一度も変わらなかった考えがあった。それは、

「KiRaReのみんなと、そしてこれまでずっと応援してくれたファンの人たちのための曲」

ということである。

どういうことかと言うと、聴く人を元気に出来るような曲、聴く人に夢を与えられるような曲、これまでそういうものを歌い続けてきた彼女達に、一曲ぐらいは、

「自分達のための、そしてずっと応援し続けて下さったリメンバーズ(ファンの総称)の方々のための、そういう曲を歌わせてあげたい」

という思いである。このタイミングならそれが出来ると。

詞の細かい内容については数え切れない案が浮かんだり消えたりする中でも、この考えだけは最初からずっと変わらなかった。

しかし、具体的な内容については何も決められないまま、時間だけが過ぎていった。

いつも僕のところに曲が送られてくる時には、既にレコーディングの日程は決まっている。この業界は基本そうだし、それまでに何とかするのが僕の仕事だ。

作曲の翼さんから曲が送られて来た。

そのラフMIXを聴きながら、ぼんやりとしていたイメージに、スーッとピントを合わせていく。

ここだ、と思った。

KiRaReの6人と頭の中で会話しながら、ぼんやりとデモを聴いていたら、いつの間にか書き始めていた。

そして、気づいた時には書きあがっていた。

確か2〜3時間ぐらいだったと思う。

送られてきた音源は1番だけのワンコーラスデモだったのだが、勝手に2番までフルサイズで書いて送った。

その後、翼さんと細かい部分に関する「キャッチボールという名のドッジボールという名の戦争」が始まる。

翼さんの作曲家としての「言葉の音的な側面へのこだわり」と、僕の作詞家としての「言葉の意味的な側面へのこだわり」の衝突という、「音屋vs言葉屋」の戦争である。

お互いが納得できる「折衷案」を探すバトルではなく、お互いの想像を超えたものを生み出す「弁証法的」バトルなので、そこは地獄絵図である。

翼氏「ここはもっとこう、例えばこういうリズムの言葉を置きたいんだよね〜」

心の声:バカかてめぇ!ここにそんなのっぺりしたリズムの言葉置いてんじゃねぇよボケ!音符の鼓動にもっと耳を澄ませやカス!

「そういう言葉って意味が弱いんで、イメージ薄くなっちゃう気がするんですよね〜」

心の声:まじチョベリバっす!そんな言葉ねぇっす!世界観死にまするぞ!君死ニ給フ事ナカレ!)...

これまでも、「キライキライCЯY」やトロワアンジュの「Cresc. Heart」「STORIA」etc...毎回それぞれに趣の異なる戦いはあったのだが、今回の「367Days」はそれらの中でも一番の長期戦だった。しかもそれは、とある「たった一ヶ所」。その一ヶ所を決めるために、翼さんと3日間殴り合った。

様々な言葉達の屍の上に、世に出ていく言葉達がいる。

今日、久々に歌詞を見返していてふと気づいたことがある。

この曲の歌詞に出てくる「キミ」というワードは、メンバー同士でもあり、ファンの方々でもあるなと。書いている時は自分でも無意識だったので気づかなかったのだが、必然的にそうなったのだと思う。

「いつのまにかキミと こんなところまで来てたね」​

しかしながら、アニメ化の発表はKiRaReのみんなにもライブ当日まで内緒のサプライズだった。なので、レコーディングの時も歌詞の意味等については一切教えてあげられず、かなり心苦しい思いをした。笑

歌っている彼女達を眺めつつ、

「みんな今、どんな気持ちでこれを歌っているんだろう?笑」と。

ただ、その時キャストのとある子が「このデモを移動中の新幹線で聴いてたんですけど、昔の自分と重なってウルっとしたんです」的なことを言ってくれたのを聞いて、「あぁ、ちゃんとこの子達のための曲になり得たのかな」と、少しだけホッとしたのを覚えている。

「特別なタイミングで歌う曲だよ」感を出さないよう、レコーディング中は終始クールに眺めていたのだが、心の中では、歌っている彼女達を眺めつつ、「始まった日から今日まで、この子はどういう希望と不安を抱えてここまで頑張って来たんだろう?」と一人一人に思いを馳せていた。

それと同時に、「こんな詞を書いてしまって、''一つ夢が叶ったよ感''を隠しながら歌録りのディレクションをしなきゃいけない翼さん、めちゃ大変そうだなぁ。。」とも。笑

実は、最終的にタイトルでかなり悩んだ。椿本Pにはめちゃめちゃ相談にのってもらった。レコーディングの合間にも、「あぁでもないこうでもない」と色々な話をした。結局、レコーディングが終わってからも暫く決まらず、ラインで「これどうですかね?」等やりとりをしていた。

最終的に2案残ったのだが、どちらにするか、それを椿本さんに選んでもらうことにした。

決して丸投げした訳ではなく、特別なタイミングで歌うこの曲の名前を、ずっとあの子達を見てきた椿本さんに決めて貰うということが嬉しかったのだ。

なので、僕も先日(7/1)のライブ当日まで、タイトルがどちらになったのか知らなかった。ファンの皆さんと一緒に知った。笑

正直、この曲に関しては「自分が書いた」という感覚があまり無い。書いている時、背後にはずっとプロデューサーを始めスタッフの方々の顔が浮かんでいて、「みんな、あの子達に何を伝えてあげたいと思っているだろうか?」ということを考えながら書いていたような気がする。

そういう意味で、この曲は「僕ら作家&スタッフチームからKiRaReのみんなとファンの方々への贈り物のような曲」なのだと思う。

その「みんなの力を借りて書いた感」がモロに一番出たのが、最後のサビである。

実は最初、最後のサビも1番2番と同じノリで書いていたのだが、途中まで書いた頃、僕の脳内にKiRaReの6人が不安そうな顔でソソクサと入ってきた。そして、

「え?ほんとにそれで行きます?」って。

「私達そんなに感傷にばっか浸ってらんないんですけど!」って。

「せやなぁ。振り返ってばかりもいられへんしなぁ」って。

「もう次のステージしか見てないみぃ!」って。

「作詞家さん発想がミジンコ...」って。

「僕は作詞家さんがいいと思って書いたものなら喜んで歌わせてもらうよ」←お前いいヤツだなぁぁぁ!!!

って。笑

僕も、

「そうだよね。笑」と。

最後のサビ、書いていたものを全部消して、新しく書き直した。

そして、先日(7/1)の2ndライブで、

「今ここが キミとあの日夢見たStart Line」

そう歌う彼女達の姿を眺めながら思った。

「そうだよね、スタートラインだよね」と。

レコーディングの時、椿本Pに「これ、ライブのとき僕が先に泣くかもです」と冗談っぽく伝えたのだが、当日は何とか耐えていたのに、椿本Pの姿を見た瞬間に僕も崩れた。

「それはナシでしょぉぉぉぉ」と。笑

ライブ終演後、ステージ裏で椿本Pと無言で握手をしたのだが、その時やっと肩の荷が下りた。

今ここが キミとあの日夢見たStart Line

僕が担当させて頂いているもう一つのユニット、トロワアンジュちゃんの素晴らしさについても色々と書きたいと思っていたのだが、長くなりすぎたのでまたの機会に。

KiRaReの「367Days」、とても素敵な作品に仕上がっておりますので是非手にとってみて頂けますと幸いです。

そしてアニメも、何卒よろしくお願い致します。

Soflan Daichi

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